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大阪大学卓越セミナー「移動する人びとと国家の相克―北東アフリカの難民と帰還民による生活再編の事例から」

卓越した大学院拠点形成支援補助金「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」
主催 卓越セミナー第7回(「コンフリクトの人文学」セミナー第91回)

*講師:内藤直樹氏
(徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部、准教授)

*日時:2013年3月26日(火)17:00〜19:00
*会場:大阪大学人間科学部棟 東館1階106講義室(参加無料)

発表要旨:
 グローバル化のなかで領域・成員・主権からなる「国家」のあり方が途上国と先進国の双方においてゆらぎつつあることが指摘されて久しい。長らく内戦が継続してきたソマリアやスーダンを含む北東アフリカにおいても、従来の国家モデルでは捉えきれないような、さまざまな対立と協同が混在するオルタナティブな秩序化・統治実践の動きが見られる。
 アフリカにおける内戦は冷戦終結後の1990年代に多発した。だがその後も、ソマリアのように内戦が20年以上も継続している場合や、スーダンのように内戦終結後も紛争や人権侵害が断続的に発生する場合も多い。これらの地域では、難民状態の長期化、帰還後の再難民化および帰還が進まないなどの事態が生じている。このようにアフリカにおける難民問題をめぐる長期化・錯綜した状況のなかで、複数の難民・国内避難民・ホスト・コミュニティをむすぶトランスナショナルなネットワークが形成されつつある。
 アフリカにおける難民の移動は、おもに故郷と移住先間の直線的移動として捉えられてきた。だがソマリアやスーダンの難民をめぐっては、地域や国家を越える移動が繰り返されたり、オールドカマーが定着した地域にニューカマーが流入するなどといった錯綜した状況にある。こうした「移住を繰り返す難民」は、もはや移住の動機が迫害の恐れにあるか経済的理由にあるかを区別することが困難な場合すら多い。
 本発表では、ソマリア難民が居住するケニアの難民キャンプと南スー ダンの帰還民による農村再建の事例を報告しながら、人びとがホスト・コミュニティ、国際機関、庇護国政府やNGOを含む諸アクターと協働・葛藤のなかで生活世界を再編する過程を検討する。そして、現代アフリカの難民現象をめぐるグローバル・リージョナル・ナショナル・ローカルな諸アクターによる秩序化や統治実践の総体を、従来のような国家の不健全性の証左としてではなく、新たな<国家的なもの>の萌芽として評価する可能性について考察したい。

講師紹介:
 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科単位認定退学。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員を経て、現職。専門は文化人類学、生態人類学 、地域研究、難民研究。

※ 東館は、万博外周道路側の別館です。大阪大学人間科学部(吹田キャンパス)へ の交通アクセスはhttp://www.hus.osaka-u.ac.jpをご参照ください。

お問い合わせ先:
卓越した大学院拠点形成支援補助金
「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」事務局
E-mail: takuetsu-jimu[at]hus.osaka-u.ac.jp
※[at]は@に変更してください。

Tel: 06-6879-8085(人間科学研究科・人類学研究室)

 

 

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