中国・四国支部:2019年度 第1回例会
日 時:2020年2月16日(日)17:30-21:00
場 所:合人社ウェンディひと・まちプラザ(広島市中区袋町6番36号)
http://www.cf.city.hiroshima.jp/m-plaza/kotsu.html
シンポジウム「難民の経済活動について考える:アジア・アフリカの難民キャンプでの暮らしを比較する」
主旨説明:
「難民の暮らし」についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2018年末時点の難民や避難民の数はついに7千万人を越えました。ただ、私たちがそうであるように、世界に広がる「難民の暮らし」も一枚岩ではありません。住宅、食べもの、服、日々の活動、受入国の人々との関係…。このシンポジウムでは、そうした「難民の暮らし」の文化−社会的多様性と共通する課題について議論します。
本シンポジウムの目的は「難民の経済活動(Refugee economics)」のあり方を規定する諸要因について考察することにあります。難民の経済活動は、難民が自分自身の力で生活を切り開くための能力を高める新たな援助のなかで注目されています。他方で、それは難民支援を縮小するための言い訳だという批判もあります。では、そもそも世界各地の難民による経済活動はどのように営まれているのでしょうか?それらはどの程度同じ/違うのでしょうか?
世界各地の難民による経済活動の諸相を明らかにするために、本シンポジウムではアジアとアフリカの難民キャンプにおける難民と地域住民の社会-経済関係を比較します。具体的には、バングラデュのロヒンギャ(ミャンマー)難民とタイのカレンニー(ミャンマー)難民、タンザニアのコンゴ難民、ケニアのソマリア・南スーダン難民、ザンビアのアンゴラ難民の暮らしや経済活動についての比較検討をおこないます。それをもとに、難民の経済活動を規定する諸要因に関する総合討論をおこないます。
プログラム:
17:00 開場
17:30 趣旨説明「難民の経済活動の可能性と課題」
内藤直樹(徳島大学 大学院社会産業理工学研究部・準教授)
17:50 「実験場としての難民キャンプ/定住地:カロベエイ定住地(ケニア)の事例から」
内藤直樹(徳島大学 大学院社会産業理工学研究部・准教授)
18:20 「『難民定住地』経済圏の拡大?:ザンビアにおける元難民の包摂」
村尾るみこ(立教大学 大学院21世紀社会デザイン研究科・研究員)
18:50 休憩
19:00 「タイのミャンマー難民をとりまく経済環境:生きるための仕事、押しつけられた経済活動、海外送金」
久保忠行(大妻女子大学 比較文化学部・准教授)
19:30 「百万人のロヒンギャ難民の現状、背景、今後:クトパロンメガキャンプとホストコミュニティ―を中心に」
大橋正明(聖心女子大学 現代教養学部・教授 / グローバル共生研究所・所長)
20:00 総合討論
コメント 栗本英世(大阪大学 大学院人間科学研究科・教授)
20:55 閉会挨拶
主 催:
科学研究費補助金「アジア・アフリカのメガキャンプにおける難民の経済活動に関する総合的比較研究(課題番号:19H01391, 研究代表者: 内藤直樹)」
共 催:
日本アフリカ学会
後 援:
中四国人類学談話会、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化) 「紛争後のアフリカ社会における内生的な社会統合に関する研究(課題番号:15KK0099 , 研究代表者:村尾るみこ)」
お問い合わせ:naito.naoki[at]tokushima-u.ac.jp(徳島大学 内藤研究室)
※[at]は@に変更してください