関東支部:2019年度 第10回例会

日時:2019年10月31日(木)17:40~19:10
場所:東京外国語大学研究講義棟105教室
アクセス:http://www.tufs.ac.jp/abouttufs/contactus/access.html

タイトル:デジタルエコノミーが実現する包括的で持続可能なビジネスのイノベーションとは?:ウガンダの事例から考える
講演者:井上直美氏(東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター特別研究員)

使用言語:日本語
参加費:無料
事前申込:不要(どなたでも参加できます)

お問合せ:東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター
africanstudies-center [a]tufs.ac.jp(送信の際には[a]を@に変更してください)
共催:東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター(http://www.tufs.ac.jp/asc/

講演概要:本発表は、ウガンダのバイクタクシーに関連するビジネスがデジタルエコノミーにつながることで、ドライバーの所得と彼らの労働環境がどのように改善し、どのようなイノベーションを伴うのかについての考察である。対象は、東アフリカに位置するウガンダの首都カンパラのバイクタクシー産業に関連した3つのビジネスである。バイクタクシービジネスは、借用バイクを使って比較的簡単に始められるフリーランス型ビジネスであり、雇用は伴わない。借用バイクの利用料は、ドライバーの1日の売上の約1/3を占めるためにビジネスの効率は悪く、ドライバーが自分のバイクを買えるようになるほどの所得を得ることが難しい。また、ドライバーは保険に入っていないことが多いために交通事故を起こした場合の保証は無く、不安定な立場にある等の問題がある。本報告ではこのような状況にあるバイクタクシーのドライバーが、3つのオンラインのプラットフォームを使ったサービス(デジタルエコノミー)に携わることによって、どのような恩恵を得るのかを明らかにする。ドライバーは、資金管理、作業効率、安全性、顧客からの信頼等の問題を解決するという直接的な効果を得た。間接的な効果としては、労働市場にけるバイクドライバーの需要が増加し、ウェブ・アプリケーション・バイクタクシーサービスのドライバーや、eコマースのデリバリーを行うタクシードライバーの職業機会が増えた事が挙げられる。さらにドライバーは、間接的に一般的に社会人として働くために求められる能力(エンプロイヤビリティ、例えば約束を守り仕事をきっちり終わらせるというような習慣)を身に着けることができた。これは、包括的で持続可能なビジネスに必要かつ持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の第8目標であるディーセント・ワークの実現につながるものである。

Webサイト:
(日本語)http://www.tufs.ac.jp/asc/news/191031ASCSeminar42.html