関西支部:2019年度 第6回例会

日 時:2019年11月9日(土)11:00 ~ 17:00
場 所:京都産業大学サギタリウス館3階303教室312教室 ※部屋が変わりました。
〒603-8555 京都市北区上賀茂本山
交通アクセス:https://www.kyoto-su.ac.jp/access.html
土曜日はバスの便が少なくなっていますのでご注意ください。
キャンパスマップ:https://www.kyoto-su.ac.jp/facilities/cam_map.html

全体テーマ:Studies in tone, intonation and syntax in African languages

発 表1: Issues in melodic tone in Chichewa (Bantu, Malawi)
講 師:Laura Downing (University of Gothenburg, Sweden)
要 旨:多くのアフリカの声調言語は、固有の文法的声調パターンを導入する声調形態素あるいは形態素を有する。本発表では、、チチェワ語(マラウイで話されているバンツー語)にみる動詞の文法的声調の分析を通じてこれらの形態素のもつ特徴を論じる。

発 表2 : Phonetic studies of pitch-accent and intonation in Somali
講 師:Yasuko Nagano-Madsen (University of Gothenburg, Sweden), Morgan Nilsson, and Laura Downing
要 旨:ソマリ語はピッチアクセントを持つとされているが、それは日本語に見られるような辞書的・語彙的ピッチアクセントではなく、文法的機能によるものである。しかし、音声学的な実態についての研究は皆無に近く、その解明が待たれている。この発表ではソマリ語のピッチアクセントとイントネーションの音声学的分析を発表する。

発 表3 : Nominal tonology of Tagbana and spreading rules in Tagbana (a Senufo language)
講 師:Annie Rialland (University of Paris III, France), Yranahan Traore, and Caroline Féry
要 旨:コートジボワールに話されるセヌフォ系タグバナ語の声調について詳述する。この言語には3つの平板調と2つの浮き声調があることは知られているが、そこにどういう規則が働いているかはほとんど知られていない。本発表では声調規則の働きを、単語、韻律句、イントネーション句の3つの音調領域の階層に分けて考察する。

発 表4 : The patterns of use of the reflexive prefix in Kihehe and other Central Tanzanian Languages
講 師: Lengson Ngwasi (University of Gothenburg, Sweden)
要 旨:多くのバンツー語にみる再帰接頭辞は単なる再帰形マーカーとして従来説明されてきた。しかし、それ以外にも複数の機能を持っていることを、いくつかの中部タンザニア語にみる再帰接頭辞の使用パターンをもとに、論証する。

発 表5 : High tone deletion and coreferential objects in Nyoro verb conjugations”
講 師:Shigeki Kaji (Kyoto Sangyo University)
要 旨:ウガンダ西部に話されるニョロ語では、遠過去など幾つかの時制・アスペクトにおいて、後に目的語などが続くと動詞の持つ高声調が消える。しかし同時に同一指示代名詞目的語が用いられると、この高声調は消えない。この現象の統語的意味を考察する。

備 考:京都産業大学、京都大学アフリカ地域研究資料センターと共催