関東支部:2019年度 第13回例会

日時:2019年12月5日(木)17:40~19:00
場所:東京外国語大学研究講義棟104教室
(アクセス:http://www.tufs.ac.jp/abouttufs/contactus/access.html

タイトル:アフリカ・コンゴ盆地におけるブッシュミートとエボラの問題:食文化と森林・野生生物保全との観点から議論する
講演者:西原智昭 博士(WCS国際野生生物保全協会・自然環境保全研究員)

使用言語:日本語
参加費:無料
事前申込:不要(どなたでも参加できます)
お問合せ:東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター
africanstudies-center [a]tufs.ac.jp(送信の際には[a]を@に変更してください)
共催:東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター(http://www.tufs.ac.jp/asc/

講演要旨:アフリカ・コンゴ盆地の熱帯林地域に住む地域住民・先住民族の主要タンパク源は、古来より野生動物の獣肉(ブッシュミート)である。野生生物の保護を主張する多くの団体は、そうしたアフリカ人の食習慣を「野蛮」で「残酷」と称し誹謗の対象としてきた。しかしながら、昔ながらの生業としてのブッシュミート食と商業として発達したブッシュミート・ビジネスとは区別しなければならない。「食文化」とは何かを見直す必要があると同時に、ブッシュミート・ビジネスを加速化した根本的な要因をも見逃してはならない。一方、2019年7月にWHOにより「緊急事態宣言」の対象となったエボラ出血熱は、同じコンゴ盆地の森林地帯を起点にこれまで何度か発生してきた。現在の有力な仮説では、エボラはそのウイルスと共生する野生動物をもとに広がり、その抗体を持たない人間を含む動物が死に至るとされている。野生動物を食するコンゴ盆地の住人にとっては、エボラは食の安全保障の問題とも関わってくる。致死率が高くいまやこの地域の外にもウイルスが広まる可能性のある今、人類はエボラ・ウイルスとどう関わっていくのか、ブッシュミート問題とともに考察したい。

Webサイト:
(日本語)http://www.tufs.ac.jp/asc/news/191205ASCSeminar44.html